先日、Facebookのタイムラインを眺めていたら、手のひらサイズの小さなFPGA基板の上で、あの「Amiga」が軽快に動いている動画が流れてきて目を奪われたのであります。
「こんなに小さな基板で、なぜAmigaが動いているんだ・・・?」とその動画の正体を調べてみたところ、行き当たったのがオープンソースプロジェクトの「NanoMig」でした。
Commodore Amigaといえば、かつて欧米のホビーPCシーンやデモシーンを席巻した伝説の名機であります。日本国内でも、90年代の人気番組「進め!電波少年」のオープニングや演出で使われていた独特なCGアニメーション(松村邦洋さんや松本明子さんのキャラクターが動くCG)の制作に使われていたことで、ご記憶の方も多いかと思います。
今なお世界中に熱狂的なファンを持つAmigaですが、近年は実機のプレミア化が急激に進み、状態の良い本体を手に入れるのは極めて難しくなっています。
そんな憧れの名機を、現代の安価なFPGAボード上に蘇らせようと有志によって開発が進められているのがNanoMigなのであります。しかも調べてみると、2024年に始まったこのプロジェクト、最新版(v0.14-beta)ではなんとAmiga 1200相当(68020 CPU + AGAチップセット)の動作にまで対応しているとのこと。
【補足】初期型(A1000 / A500)から「Amiga 1200」への劇的な進化
Amigaは、CPUの負荷を減らすためにグラフィックや音声を専用のカスタムチップに任せる先進的な設計が特徴でした。
初期型(Amiga 1000 / 500):
CPUはモトローラ「68000」のみを搭載。グラフィックは初代チップセット「OCS(Original Chip Set)」が担当し、最大4,096色中32色の同時表示でした。当時の家庭用PCとしては破格の性能でしたが、美麗なグラデーションの表現には限界がありました。
上位モデル(Amiga 1200):
1992年に登場したホビー向けAmigaの集大成。CPUがより高速な「68020」へと強化され、グラフィックも新世代の「AGA(Advanced Graphics Architecture)」チップセットへと刷新。最大1,677万色中256色(特殊なHAM8モードでは約26万色)の同時表示が可能になり、圧倒的に鮮やかなゲームやCG表現を実現しました。
「実機が高騰して手が出ない憧れのA1200環境が、手元で作れるかもしれない!」と一気に興味が湧きましたが、いざ試そうとすると真っ先に次の2つの疑問にぶつかりました。
対応ハードウェアがいくつかあるけれど、推奨はどれ?
Kickstart ROMやWorkbench(OS)の入手元はどこが正解?
今回は、具体的なセットアップに入る前の「事前調査編」として、悩めるエンジニアが調べてたどり着いた上記2点の結論と選定理由をまとめました。
結論:この組み合わせがベストバイ!
FPGAボード: Tang Nano 20K(約25〜40 USD)
ソフト(ROM/OS): Amiga Forever Plus(約39.95 USD)
迷ったらこの組み合わせを選べば間違いなさそうです。実機が高騰して手が出ない現在でも、周辺機器を除けば約1万円前後の予算で憧れのAmiga 1200環境まで一式が揃うのであります。
なぜ「Tang Nano 20K」なのか?
NanoMigは複数のボードに対応していますが、現在選ぶならTang Nano 20K一択と言えます。
開発のメインターゲットで最新機能(AGA)が使える
最新のv0.14-betaを含む新しいビルドは、主にTang Nano 20K向けに供給されています(他のTangボード向けはv0.7〜v0.10あたりで更新が止まっています)。A1200相当(68020+AGA)の豊かなグラフィックを楽しめるのもこのボードならではの強みです。
追加マイコンが不要(ワンボードで完結)
画面上のメニュー表示(OSD)やUSBコントローラー処理を担うファームウェア「FPGA Companion」を、ボード上のマイコン(BL616)にそのまま書き込めます。HDMI端子やmicroSDスロットも基板上に揃っているため、追加シールドを買い足す必要がありません。
圧倒的なコストパフォーマンスと情報量
対応ボードの中で実売価格がもっとも安く(AliExpressなどで25〜40ドル程度)、利用者が一番多いため、トラブル時の情報が見つけやすいのも大きなメリットです。
なぜ「Amiga Forever Plus」なのか?
実機からの吸い出しが難しい今、合法的にROMやOSを入手できるCloanto社の「Amiga Forever Plus」が決定版となります。
初期のA500用ゲームを安定して動かすには「Kickstart 1.3」が必要ですが、仮想ハードディスクからの起動やA1200モードを活用するには「Kickstart 3.1」が欠かせません。
Valueエディション(約21.95 USD)もありますがは1.3のみ、Plusエディションなら1.3と3.1の両方が揃い、さらにWorkbenc約100本の名作ゲームがまとめて手に入ります。
というわけで、「Tang Nano 20K」と「Amiga Forever Plus」を入手して、次回は具体的なセットアップ手順をレポートできればと思ってます!

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