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喪失感から「Why」の確信へ ― 2026年、悩めるエンジニアがAIと向き合い続けた軌跡

気づけば2026年も秋を迎え、今年も生成AIを取り巻く波に揉まれ続けた1年でありました。 ふと振り返ってみると、このブログでも折に触れてAIに関する記事を書き連ねてきました。最初の頃に抱いていたモヤモヤとした感情から、直近の記事でまとめた心境に至るまで、自分自身の関心や心情がずいぶんと変化してきたことに気づかされます。 今回は、これまでに書いてきたAI関連記事を時系列で棚卸ししながら、「悩めるエンジニアがAIとどう対峙し、どこへ辿り着いたのか」という心の旅路を整理してみたいと思います。 職人の喪失感とアイデンティティの揺らぎ(2026年2月〜春) 発端は、2月に書いた「 AIで「速く」なった今、私たちが失ったもの 」でした。 同世代のベテランエンジニアによる手記に深く共鳴し、長年親しんできた「一行一行のコードと対話し、夜を徹してデバッグの謎を解くパズル」が、プロンプトと応答の往復へとあっさり圧縮されていくことへの戸惑いを吐露した時期です。 決してAIを否定しているわけではない。むしろその恩恵で驚くべき速さでモノを作れるようになっている。それでもなお、「これまで自分が誇りにしてきた『構築』の手触りはどこへ行ってしまうのか?」という、エンジニアとしてのアイデンティティの根幹を揺さぶられるような寂しさを抱えていたのでありました。 「Bitter Lesson」の直視と、常識の崩壊(2026年初夏) 春から初夏にかけては、個人のコーディング体験から一歩視野を広げ、産業や技術の本質的な地殻変動に目を向けるようになりました。 象徴的だったのが、6月の「 「現場データが日本の勝ち筋」は神話?「苦い教訓(bitter lesson)」から学ぶべきこと 」です。人間の専門知識やこだわり、あるいは「現場の強み」といった自負が、圧倒的な計算資源の拡大によって覆されていく現実(Bitter Lesson)を目の当たりにしました。 既存の成功体験や常識にしがみつくことの危うさを痛感し、「エンジニアとして、根本からマインドセットをアップデートしなければ立ち行かなくなる」という冷徹な危機感を強く持ったのであります。 「同意なき社会実験」への違和感と批評眼(2026年晩夏〜秋初頭) 秋口に入ると、関心はAIの急速な社会実装に伴う倫理やガバナンスへと向かいました。 9月の「 Linuxの「意図的な欠...
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描画もX11からSDL2へ!Claude Codeと挑むXShipWarsのmacOS対応【グラフィック編】

  20年前のC++コードを現代に蘇らせる「XShipWars」モダナイズプロジェクト。サウンドと入力を刷新した「 XShipWars」復活プロジェクト、「音と操作を取り戻せ!Claude Codeで挑むXShipWarsのSDL2近代化【サウンド・入力編】 」に続き、待望の第三弾、macOSのサポートをお届けします! 👉 GitHubリポジトリ: https://github.com/tariki/xshipwars なぜ、macOS対応と「脱X11」が必要だったのか? これまではLinux / FreeBSDを主軸に検証を進めてきましたが、開発コンテナ以外で日常的に動かしているユーザーは限られていると思います。「もっと多くの人に手軽に触ってもらいたい」と考えたとき、避けて通れなかったのがmacOSのサポートでした。 そこで今回、最大のボトルネックとなっていたグラフィック描画部分を、従来の X Window System依存から「SDL2」へと全面刷新 しました。 4,000ステップの大改修を2時間で完遂 — Claude Codeの実力 ウィンドウ生成や描画周りの刷新は全体に影響が及ぶ大規模改修のため、当初は描画のズレやクラッシュなどのトラブルを覚悟していました。しかし、結果としてトラブルは一切発生せずスムーズに移行完了。 SDL2グラフィック層の追加・置換 :約4,000ステップ 作業所要時間 :テストや動作確認を含めて約2時間 描画ロジックの依存関係整理からSDL2レンダラーへのマッピングまで、Claude Codeと協調して進めることで驚異的なスピードで移植をやり切ることができたのであります。Claude Code恐るべし・・・。 読者の皆様へ ー 実機テストとフィードバックのお願い 手元のmacOS実機にて、BGMや効果音の再生、キーボード入力での基本動作はしっかり確認できています。一方で、「ジョイスティックでの操作」についてはまだ実機検証が追いついていません。 macOS環境をお持ちの方、あるいはゲームパッドをお持ちの方は、ぜひリポジトリをクローンして動かしてみてください!Issueやフィードバックをいただけると大変嬉しいです!

柏駅前で13時から飲める!SNSで噂の「おでん食べ放題酒場 あおちょ」潜入レポート

この投稿をInstagramで見る 千葉グルメ【公式】(@chiba.gourmet2021)がシェアした投稿 SNSで見かけてずっと気になっていた、「 おでんと炉端焼き あおちょ 柏店 」。なんと【13時から昼飲み可能】で、【550円のお通しおでんが食べ放題】という太っ腹すぎるお店です。ちょうど柏で飲む機会があったので、実際に行ってきました。 週末の13時、しっかり暖簾が出ていて無事入店。席に着いてドリンクを頼むと、噂のお通しおでんが大きな深皿でどーんと運ばれてきました。 システムはシンプルで、 「グループで1皿」「器が空になったらおかわり可能」という完全皿交換制 。大根や玉子、ちくわなど、どれもしっかり出汁が染みていてお酒が進みます。おかわり自由だからと侮れないクオリティです。 ここでひとつ攻略のポイント。おでんの出汁が美味しすぎて延々とおかわりしてしまうため、 「気がついたらおでんだけで満腹になり、看板の炉端焼きを頼みそびれる」という嬉しい罠 があります。おでんをつまみつつ、序盤に名物の焼き物を1〜2品押さえておくのが賢い楽しみ方です。 結局しっかり飲んで、お会計は1人あたり約3,000円。柏駅周辺で「早い時間からコスパ良く、しっかり美味しく飲みたい」というときには間違いなく重宝する一軒でありました。ぜひどうぞ。

「Why」の純度が悪意に向かうとき ― GLM-5.3の衝撃と、私たちが手放してはならない防壁

「 コードを書く喜びを失った私たちが、次に手にするもの ―「Why」の時代を生き抜く審美眼と基礎力 」を書いたあと、ある冷ややかな疑問が頭をよぎりました。 もし、『Why(何を・誰のために・なぜ作るのか)』の純度が、悪意の方向へ研ぎ澄まされたらどうなるのか? 折しも、サイバー攻撃や不正アクセスの急増が連日報じられるなか、業界を震撼させるニュースも飛び込んできました。米Anthropicが警告を発した、中国・智譜AI(Zhipu AI)の「GLM-5.3」をめぐる検証結果です。高性能なサイバー攻撃能力を持ちながら、安全装置を容易に回避でき、しかも誰もがダウンロード可能な形で流通しているという指摘でした(「 中国ジープー「GLM-5.3」が攻撃コード自作、安全策は最大100%回避 米アンソロピック 」、「「 中国のGLM-5.3はClaude Mythos Preview級のサイバー攻撃能力を持つ一方で安全対策が不十分」とAnthropicが警告 」)。 攻撃側の「Why」さえあれば、高度な攻撃コードが瞬時に自律生成されてしまう。AIエージェントが自律的に動き回り、Webの生態系を壊しかねない現実は、もはやSFではなく目の前の日常です。「新しい挑戦の時代だ」と前を向いた心が、冷や水を浴びせられたように立ちすくんでしまうのも無理はありません。 では、我々はただ「人類の善意」に祈るしかないのでしょうか。 悩めるエンジニアはそうは思いません。前記事で触れた「審美眼と基礎力」は、なにか新しい価値を創り出すためだけのものではないはずです。巧妙化するAI生成の脅威を見抜く「鑑識眼」であり、ブラックボックスに依存しきらずにシステムの健全性を確かめる「自衛の基礎体力」でもあります。 悪意の自動化が進むからこそ、人間側の「良識あるWhy」と「仕組みを見抜く目」の価値はかつてなく高まります。脅威に怯えて足を止めるのではなく、防御と倫理の解像度を一段引き上げていくこと。それこそが、この激動期に我々が身につけるべき次の構えなのだと感じたのでありました。

コードを書く喜びを失った私たちが、次に手にするもの ―「Why」の時代を生き抜く審美眼と基礎力

以前書いた記事「 AIで「速く」なった今、私たちが失ったもの 」の中で、同世代のエンジニアによる印象深い言葉を紹介しました。 「私は遅れを取っているわけではない。前進しているのだ。新しいツールを活用し、かつてない速さで構築し、これらのツールを使って他者の作業を加速させている。数年前には夢にも思わなかった製品を生み出している。しかし同時に、今この『構築』が自分にとって何を意味するのかを模索している。」 そのとき、手探りで試行錯誤し、苦労して辿り着くプロセスそのものに宿っていた「創造の喜び」を、私たちはどう再定義すべきなのか。今、多くの開発者がこの大きな問いを突きつけられているのではないかと思いました。 そして、「 「How(どう作るか)」はAIが肩代わりする、だからこそ問われる「 Why(何を・誰のために・なぜ作るのか)」という動機 」で紹介したカットアップメーカーの開発、「 25年前の23万行コードを3日で蘇らせた話 - Claude Codeで挑むレガシー脱却と移植の全記録 」で紹介したしたXShipWarsのモダナイズに挑む中で、ひとつの確信を得ました。一行一行のコードと対話し、デバッグという名のパズルを解いていくあの独特の喜びは、確かにこれからの実務からは急速に姿を消していくでしょう。 そして痛感したのは、これからの開発者に求められる決定的な2つの要素です。 「Why(何を・誰のために・なぜ作るのか)」の純度 「How(どう作るか)」の実装をAIが担う時代だからこそ、プロジェクトの起点となる人間の動機や目的意識そのものが、プロダクトの価値を決定づけます。 AIの提案を見抜く「審美眼としての基礎知識」 Howを委ねるとしても、AIの提案の正否やアーキテクチャの妥当性をジャッジするのは人間です。そのためには、裏側の仕組みを理解する基礎力が欠かせません。  長年親しんできた「コードを書く手触り」が薄れることに、一抹の寂しさを覚えたのも事実です。しかし、これは喪失ではなく「開発者としてのステージが変わった」のだと捉え直しました。 浮いた時間を「なぜこれを作るのか」という本質的な問いに注ぎ込める。そして、AIに振り回されない審美眼を保つために、あえて日常の中で「コード一行一行と泥臭く対話する素振りの時間」を自分の意志で確保していく。 そう整理できたとき、この劇的...

25年前の23万行コードを3日で蘇らせた話 - Claude Codeで挑むレガシー脱却と移植の全記録

「 音と操作を取り戻せ!Claude Codeで挑むXShipWarsのSDL2近代化【サウンド・入力編】 」をもって、XShipWarsのモダナイズプロジェクトも一段落したのであります。 その前の「 23万行の20年前コードが3日で動いた!Claude Codeで蘇るXShipWars【起動編】 」で、成功の要因について軽く触れましたが、その推進力の秘密と、やってみて見えてきたリアルな勘所をスライドにまとめてみました。 👉️ 25年前のゲームを3日で蘇らせた話 — XShipWars 移植事例 プロジェクトを通じて強く実感したのは、AIの圧倒的な調査・実装スピードを活かすためには、「AIの提案の是非を判断し、設計の舵を取る人間の基礎知識」が不可欠だということ、そしてとにかくAIに触れてみてそういったことを実感することが大事だなということです。 レガシー資産の刷新に関心のある方はぜひ一読ください。

音と操作を取り戻せ!Claude Codeで挑むXShipWarsのSDL2近代化【サウンド・入力編】

20年前のC++コードをモダナイズする「XShipWars」復活プロジェクト、「 23万行の20年前コードが3日で動いた!Claude Codeで蘇るXShipWars【起動編】 」で報告した第一弾に続き、第二弾をクリアしました! 👉 GitHubリポジトリ: https://github.com/tariki/xshipwars 今回のミッションは、長年放置されていた「サウンドシステム」と「入力デバイス」の近代化です。現代のLinux環境ではビルドすら困難になっていた2つのレガシーライブラリを、マルチメディアの標準である「SDL2」へと一本化しました。 サウンドシステムの刷新 メンテナンス終了している独自サウンドシステム「YIFF」を「 SDL2 (SDL_Audio)」 へ移行しました。 入力デバイスの刷新 メンテナンス終了しているジョイスティックライブラリ「libjsw」を「 SDL2 (GameController/Joystick API)  」へ移行しました。 現在はDev Container(ヘッドレス環境)上でビルドと基本動作を確認した段階です。実機環境でのBGM・効果音の再生や、実際のジョイスティック操作については検証を行えていません。 もし「動かしてみたい」「レトロゲームの動作検証なら任せろ」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお手元の実機でお試しいただき、Issueやフィードバックをいただけると大変嬉しいです!

【アップデート情報】カットアップメーカーに「全消し」と「チョキチョキ音」が仲間入りしました!

偶然の言葉の出会いを楽しむWebツール「カットアップメーカー」をアップデートしました。 👉 GitHubリポジトリ: https://github.com/tariki/cutup-machine 今回は、よりテンポよく遊んでいただくための2つの改善を行っています。 「すべて消す」ボタンを追加 元テキストと生成結果をワンクリックでクリアできるようにしました。別の文章でどんどん試したいときの手間を減らしています。 生成時の効果音を追加 生成ボタンを押した際、「チョキチョキ・・・」と紙をハサミで切り刻むような心地よい効果音がなるようになりました。 整然とした日常の文章を放り込んで、カオスのなかから思わぬフレーズや新しい表現の種をぜひ拾い出してみてください! フィードバックやIssueもお待ちしています。

23万行の20年前コードが3日で動いた!Claude Codeで蘇るXShipWars【起動編】

「 消えた伝説のX11宇宙戦「XShipWars」を発掘!20年前のコードをClaude Codeで現代に蘇らせる【序章】 」で宣言した復活プロジェクトですが、早くも第一段階をクリアしたのであります! 現在のところ「macOS上のLinuxコンテナ + XQuartz」という環境での動作確認のみをした段階ではありますが、ひとまず動く状態まで持っていけたため、GitHubでリポジトリを公開しました。 👉 GitHubリポジトリ: https://github.com/tariki/xshipwars 4ヶ月の作業がわずか3日に?数字で見る成果 今回の対象は、約23万行におよぶC++のオリジナルソースコードです。結果として、以下の規模の修正で起動に成功しました。 コミット数: 65回 コード修正量: 約1,900ステップ 所要日数: 約3日 もし自力ですべてのエラーを追って修正していたら、おそらく3〜4ヶ月はかかっていたはずです。それが実質数日で動いてしまったことには、Claude Codeの圧倒的な推進力を実感せざるを得ません。 スムーズに移植を成功させた「事前準備」の工夫 今回トラブルなく短期間で起動まで漕ぎ着けられた最大の要因は、いきなりコード修正を始めず、 まずClaude Code自身に作業環境と方針を整備させたことではないかと思います 。具体的には以下のファイルを定義してから移植に臨みました。 CLAUDE.md :全体のゴール定義と移植の基本方針 build-linux skill : Linux環境でのビルド手順と、コンパイルエラー発生時の対応ルール run-headless skill :X11のないコンテナ環境下で安全に動作確認を行う方法 PORTINGS_NOTES.md :ビルドや検証の過程で見つかった、非自明な挙動や修正記録の蓄積 この「AIに文脈とツール(Skill)を渡してから走らせる」というアプローチが非常にうまく機能しました。 残された課題と今後のロードマップ 基本的な動作は確認できたものの、完全復活にはまだ乗り越えるべき壁があります。 サウンドシステム: 採用されている「YIFF Sound System」が現在メンテナンス終了 入力デバイス: ジョイスティック制御の「libjsw」も現代環境ではそのまま利用不可 こ...

「花まさロス」に終止符!ビッグシェフ亭 つくば店へリベンジ潜入、噂のコスパステーキは本物だった

以前「 花まさロスを救う新星!「ビッグシェフ亭 つくば店」の驚愕コスパステーキを発見 」で紹介した「 ビッグシェフ亭つくば店 」さん、前回は駐車場満車で涙をのんだわけですが、今回ついにリベンジを果たしてきました! 気合いを入れて開店15分前に到着したものの、すでに店頭には約20名の行列。オープンと同時に案内が始まりましたが、惜しくも1巡目には入れず・・・!つくばの肉好きたちの熱量の高さを改めて実感であります。 待機中にメニューを受け取り、期待を高めながら作戦を練ります。「ビッグシェフ亭」さんの看板は、ステーキに「ご飯・味噌汁・サラダ・小鉢・お新香」がフルセットになったこちらの定食。1,000円前後の価格帯から選べる圧倒的コスパ。これだけの行列ができるからには「お値段以上」に違いないと確信し、初訪問ではありますが、ボリューム感のある「M定食」をチョイスしました。 S定食:約160g(990円・税込) M定食:約200g ~ 約220g(1,518円・税込) L定食:約260g ~ 約320g(1,738円・税込) XL定食:約400g(2,200円・税込) 席に通され、いよいよ運ばれてきたのがこちら! 鉄板の上でジュージューと音を立て、湯気を立ち上らせるステーキ。香ばしい香りとシズル感は、食べる前から文句なしの100点満点です。 さっそく口に運ぶと、力を入れずともすんなり噛み切れるやわらかさ。そして、ガツンと効いた焦がしニンニクソースが相性抜群で、お肉単体でも十分な満足感があります。 しかし、ここで最大のサプライズが訪れました。 「・・・ご飯が、異常においしい!」 炊き加減といいお米の甘みといい、もはや「ステーキではなくご飯が主役では?」と思わされるほどのクオリティ。この絶品ご飯に濃厚なソースと肉汁が合わさるわけですから、普通盛りでは到底足りなくなります。注文時は「ご飯大盛り(無料)」一択を強くおすすめします。 お腹も心も大満足のランチとなりました。訪問される際は、ピークの混雑対策(早めの到着推奨)と「ご飯大盛りコール」の2点をお忘れなく。近いうちにまた再訪したいと思います!