先日の記事「実践Claude Code入門が示す『スペック駆動開発』のリアル」で予告していた、長年お蔵入りしていた個人プロジェクトを無事にGitHubで公開しました( https://github.com/tariki/cutup-machine )! カットアップメーカーとは? 複数の文章を単語単位に分解し、マルコフ連鎖によってランダムかつ文脈を保った新しい文章へ再構成するWebツールです。作家ウィリアム・S・バロウズらが用いた「カットアップ技法」をデジタルで再現しました。 「創作のプロットで行き詰まった」「常識にとらわれない刺激的なフレーズが欲しい」というときの、偶発的なアイデア発掘ツールとして機能します。 実際に生成してみた文章例 異なる文脈の短編テキストを混ぜて生成してみた結果がこちらです。 病院の待合室。消毒液の臭い。床と壁一面、均一に白と灰色のタイルが並べられたタイルの上に排泄物を放出している。向かいの窓を無数のネオンとハイウェイの下の薄暗い空間に包まれ、祖父の家の特別な匂いと特定の空間に包まれ、祖父の家を出る。日は落ちている。向かいの窓を無数のごみ。悪臭を放つ廃液が地下鉄の排気口に流れ落ちる。ごみの影、古びたアパートの非常階段にいるのは倒れこんだ少年。目は路地の中央へ。 お仕事して絶命。ピクピク痙攣。他の医者が老婆の悲鳴。老婆はよだれを垂れ流し、均一に白と灰色のタイルが並べられている。お互いに話している。まるでチェス盤の前で足を止める。 「お亡くなりになりました。」 地下鉄に乗り自分の顔を見ているのは特別な匂いのするハイウェイの下の薄暗い空間に包まれ、祖父の家を出る。日は落ちている。診察室に向かう。列車が地上に出る。通りはハイウェイとビル郡のせいで昼間でも薄暗い。今日も祖父は一言も喋ることなくチェス盤の前に座っていた。地下鉄に乗り自分のアパートに向かう。列車が地上に出る。日は落ちている。上に排泄物を放出していた・・。ありとあらゆる言葉が失われる。何度も、何度も・・。 なかなかに不穏でカオスな世界観ですが、ところどころにハッとするような詩的接続が生まれているように思えます。整った文章を書くAI全盛の今だからこそ、こうした「意味の崩壊から生まれる偶発性」を拾い上げる面白さがあります。 今回の開発を振り返って 手を動かせずに放置していたコードも、「スペック駆...
ある人から「動物好きに悪い人はいない。」なんて言葉を聞きました。なんとなく頷きたくなる一方で、「実際のところ、心理学や犯罪心理学ではどう捉えられているのだろう?」と疑問に思う出来事もあったので、人間が動物に向ける態度や関わり方と、その人のパーソナリティや共感性との関係について、実際の研究などで何が示されているのかを少し調べてみたのであります。 ペットへの愛着と「共感性・利他性」に関する研究 まずは、「動物を大切にする人は優しい」という側面を支持する研究です。 Jhon Marc V. Fanerらの研究( Pet attachment and prosocial attitude toward humans: the mediating role of empathy to animals )などでは、ペットへの愛着の度合いと、動物に対する共感、そして人間社会における利他的な態関連が統計的に分析されており、ペットへ強い愛着を持つ人は、他者の痛みに対する感受性が高く、それが人間社会における利他的な行動や社会的責任感の向上にもつながる傾向があることが示されているそうです。 犯罪心理学における「マクドナルド・トライアド」と「ダークトライアド」 次に、「動物に対する態度」のネガティブな側面についての犯罪心理学やパーソナリティ研究です。 精神科医John Marshall Macdonaldが1963年に提唱した臨床的仮説( The threat to kill )では、幼少期や青年期における「動物への残酷な行為」が、将来的な反社会的人格や暴力犯罪の強い予測因子のひとつとして挙げられていたり(マクドナルド・トライアド)、Phil Kavanaghらの研究( The Dark Triad and animal cruelty: Dark personalities, dark attitudes, and dark behaviors )をはじめとするパーソナリティ心理学では、ナルシシズム、マキャヴェリアリズム、サイコパシーといった反社会的なパーソナリティ特性(ダークトライアド)が高い人ほど、動物に対して冷淡であり、虐待的傾向や攻撃性を示しやすいことが実証されているそうです。動物が好きではない人が全員悪人というわけではありませんが、「人間以外の生き物の痛み...