前回の記事「 AIには真似できない、日本伝統の「無」の美学がビジネスの差別化を生む理由 」に引き続き、またまた未来のヒントになる面白い情報を見つけたのでご紹介であります。 今回ピックアップするのは、アメリカの未来学者の大御所であり、ミレニアム・プロジェクトのCEOでもあるジェローム・グレン氏の最新著書「State of the Future 20.0」。彼の来日を機に注目が集まる、未来学と「日本ノード」の再構築に関する紹介記事、「 「未来予測」のあるべき姿とは…ジェローム・グレン来日で再燃する未来学と、日本ノードの再構築 」です。 本書の公式要約版である「 未来⽩書 20.0 」に目を通してみると、今まさに私たちが直面している恐ろしい「ギャップ」が浮き彫りになっていました。 危険すぎる「AIの進化」と「政治の遅れ」 最も衝撃的なのは、AIの進化スピードが「指数関数的(爆発的)」であるのに対し、政治指導者や意思決定者の理解や政策構築は「直線的(緩やか)」なスピードに留まっているという指摘です。この進歩と政治のギャップは、今や非常に危険なレベルに達しており、国家間、あるいは超国家的なレベルでAIを管理・制限する強固なルール(ガバナンス)を今すぐ構築しなければ、以前ご紹介した記事「 AIに「悪意」は不要、人類が資源として排除される未来と、私たちが抗う術 」の通り、多くの人間が「目標達成の邪魔、あるいは非効率な資源の占有者」として脇に追いやられてしまう未来が現実味を帯びてきます。 他にも、深刻化する気候変動や人口動態、そしてウクライナ戦争により過去35年で初めて人類が核戦争の瀬戸際に追い込まれていることなど、一国では到底解決できない地球規模の課題が網羅されています。 「ゼロサムゲーム」から「相乗効果」への投資へ では、我々に解決の道はあるか?限られたリソースを地政学的な対立(奪い合いのゼロサムゲーム)に費やすのをやめ、国家間でシナジー(相乗効果)を生み出す投資に切り替えることこそが、持続可能で公平な未来を実現するための唯一の道しるべであると結ばれています。 私たち一人ひとりにできること 「国家間の投資」と言われるとスケールが大きく聞こえますが、この未来を変える出発点は、我々個人の意識改革にあると思います。まずは、目の前のニュースを「他人事」と捉えず、未来の解像度を上げるため...
「 「現場データが日本の勝ち筋」は神話?「苦い教訓(bitter lesson)」から学ぶべきこと 」に引き続き、またまた面白い記事を見つけたのでご紹介であります。和洋女子大学AIライフデザイン学部の南隆太准教授によるNewsweekの記事、「 なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異なる「共存」と、AIが処理できない「無」 」です。 あらゆるデータを網羅して隙間を埋めようとするAIは、データの存在しない「無」を処理できません。しかし人間は、あえて隠された「欠損」を自らの想像力で補い、深い感動を生み出すことができます。「あえて演じきらない」「余白を残す」という美学こそが、AI時代における人間の創造性の根幹であり、ビジネスでの差別化を生み出す鍵になる、と記事では説かれています。 これまで「あえて「無駄」を愛し、「芸術」に心を震わせることが大事」と何度か発信してきましたが、今回の「無の美学」という視点をもらうことで、腑に落ちたのであります。 完璧な正解をAIが瞬時に出してくれる時代だからこそ、私たちが目指すべきは完璧さではないと思います。企画書やデザイン、サービスの中に「あえて語りすぎない余白」を作り、相手の想像力を信じて委ねてみる。そんな「日本的な美意識」を取り入れることこそが、これからの最強の生存戦略になるのではないかと改めて思いました。 久々に東京国立博物館にでも足を運んで、この視点で色々な作品を見てみたいと思ったのでありました。