以前に「「抽象化」と「メタ化」の違い、説明できる?実務の質をガラッと変える思考法」で「抽象化」と「メタ化」の違いについて触れましたが、タイムリーに手にとったのが「「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問」であります。
本書の中で特にハッとさせられたのが、抽象化の捉え方です。抽象化とは「目的に応じて必要な要素だけを取り出す」ことですが、見方を変えれば「都合の良い部分だけを切り取ること」でもあります。
ここに、仕事でよく起こる「総論賛成・各論反対」の罠が潜んでいます。たとえば、本書で上げられているのが、こんな場面。
- 総論(抽象):「お互いの強みを掛け合わせ、シナジーを生み出しましょう!」→ みんな大賛成
- 各論(具体):「で、統合された新部署の部長にはどちらの社員が就くんですか?」→ とたんに大反対
総論の段階(抽象/Why)では全員が納得していても、各論の段階(具体/How)になった瞬間、それぞれの「切り取られた都合」がぶつかり合ってしまうのです。
このギャップによる不毛なコミュニケーションを避けるために、著者は以下のアプローチを提案しています。
- いまの議論が「抽象」と「具体」のどちらなのかを意識する。
- 「どういう条件で」「何のために」という前提を明確にする。
「今話しているのはWhy(目的)か? How(手段)か?」を全員で揃えるだけで、噛み合わない議論が一気に減ります。 前提がないまま具体論に入ると、お互いの「都合」だけの押し付け合いになってしまいます。
Howが目的化してしまうのを防ぐには、「本当に伝えたいのはWhy」であり、具体例はそれを説明するための手段に過ぎないというコミュニケーションの軸を持ち、前提や目的を明確にし、コミュニケーションの階層を合わせることが重要だと改めて意識させられたのでありました。
顧客や上司、チームメンバーとのコミュニケーションで頭を抱えがちなエンジニアこそ、「今どの視点にいるか?」を意識するだけで、チームの議論の質がガラッと変わるはずです。ぜひ日々のコミュニケーションで試してみてください!悩めるエンジニアも実践していこうと思います。
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