前回書いた「 Linuxの「意図的な欠陥混入事件」から考える、生成AIという「同意なき巨大な社会実験」 」というテーマの続きとして、今回は「では、日本の現場や政策はどう動いているのか?」を掘り下げてみました。 日本のAIガバナンスの動向を捉える上で、東大の松尾研究室出身でエンジニア・起業家・政治活動家でもある「 チームみらい 」の安野貴博氏の発信を確認するのがよいかと考え、同氏が公開しているAI法案に関する解説動画をチェックしてみたのであります。 動画内では、「市民の合意が追いつかないまま実装が先行する弊害」という論点まで深く踏み込んだ言及はありませんでしたが、「技術の進化速度に、社会制度や議会の意思決定が追いつかない」という構造的なジレンマについて分かりやすく語られていました。 AIの能力が極めて速いペースで急速に進化しており、「議論して議会を通して法律を作る」という速度を上回ってしまっていること。 その結果、社会の隅々に想定外の負の影響が出る懸念があり、どうガバナンスを効かせるべきかが大きな裏テーマであること。 安野氏は、「同意なき社会実験」を止めるのではなく、「社会実験のフィードバックと合意形成のループをテクノロジーで超高速化する」というスタンスのようであります。この発想は非常に前向きで、エンジニアリング視点を持つ実務家ならではの現実解だと感じます。 テクノロジーの恩恵と影の両方を肌感覚で理解し、実装力をもって制度のアップデートに挑むリーダーの存在は、これからのAI時代においてますます重要になっていくはずです。安野氏、安野氏が率いるチームみらいの活動に期待したいと思ったのでありました。
悩めるエンジニアの日誌です。思いついたことをつらつらと綴ります。