正月休み、積読解消の第三弾であります。「思考の整理学」に続く外山滋比古先生の著書「思考力」、「ノラや」の内田百閒先生の言葉が紹介されています。
世の中にはなんでも知っている馬鹿がいる - 内田百閒
とにもかくにも知識偏重が続き、思考力の欠如している日本を憂いています。「我らクレイジーエンジニア主義」のレビューでも書きましたが、VUCAと言われるこれまで以上に価値を問うことが大切と言われる時代において何が大事かを教えられます。
一般に、「無知」は悪いことのように思われているが、よけいな知識がないために生じる「無知」は、むしろ歓迎すべきである。そこで重要になるのが「忘却」である。いったん頭に入れたものを忘れて、意識的に無知に近い状態にする。これは自然の無知ではなく、頭のはたらきによってできる「知的な無知」である。
とおっしゃられているのが悩めるエンジニア的には刺さりました。 思い出したのが15年ほど前に会社の研修で受けたイノベイティブ・シンキング・システム(ITS)の研修。ITSは「発散(アイデア創出)」、「収束(アイデア絞り込み)」、「実践化(アイデア実行)」の3つのフェーズで構成され、それぞれに「7つの道具(テクニック)」を用いて、創造性(発想力)と実践力(実行力)を体系的に高める手法であります。
- 発散
- テクニックB(Break:常識を壊す)
- テクニックD(Dream:空想してみる)
- テクニックF(Falt:欠点を取り出す)
- テクニックO(Overstatement:大げさに拡大・縮小してみる)
- テクニックR(Reverse:逆転する)
- テクニックJ(Joint:強制的に特徴やイメージを結びつける)
- テクニックA(Adding Option:可能性を探るために多くの選択肢を追加する)
- 収束
- セブンスクリーン法
- バード・バグスクリーン(鳥の目・虫の目)
- ディシジョンスクリーン(意思決定)
- プライオリティースクリーン(優先順位)
- エム・ディー・ユースクリーン(メリット・デメリット・ユニーク)
- ゴールスクリーン(目的・希望する姿)
- スケッチスクリーン(ラフな計画の描写)
- ビュースクリーン(高い視野と広い視野で最終チェック)
- セブンフラッシュ法
- ブラッシュM(Merit:メリットの確認)
- ブラッシュD(Demerit:デメリットの確認)
- ブラッシュE(Emotion:関係者の感情)
- ブラッシュF(Fact:事実(類似アイディア))
- ブラッシュT(Test:テスト)
- ブラッシュS(Strengthen:アイディアの追加)
- ブラッシュP(Plan:事業企画、商品企画、アイディア企画)
- 実践化
- セブンマップ法
- IM(Information Map:情報の収集・調査活動のデザイン)
- PWM(Power Map:影響力を行使する活動のデザイン)
- PM(Process Map:手順・手続きのデザイン)
- AM(Agree Map:状況対応・交渉代替案のデザイン)
- CM(Contingency Map:緊急や危険に対する活動のデザイン)
- FM(Feeling Map:心理的受容を促進する援助活動のデザイン)
- RM(Road Map:推進行動のデザイン)
創造性を発揮するということは、一度決定された「認識」を様々に変えてみる、つまり意図的に認識を組み替えて他の見方をしてみる「思考実験」を繰り返すことである、とITSでは謳われています。これは外山滋比古先生がおっしゃっている「意識的に無知に近い状態にする」と同じことではと思った次第です。
人生百年時代をどう生きていくべきかということも示されたように思います。悩めるエンジニアも50歳にはなりましたが、百年と考えるとまだ半分。これからをどう生きていくかを考えながら日々過ごしていこうとも思いました。
内省する機会を与えてくれます。気になった方はぜひ手に取ってみてください。
コメント
コメントを投稿