「ウィリアム・S・バロウズ祭り!!」で紹介した「クィア」、観てきたのであります。ジャンキーでありクィアであること、そして妻殺しの疑いからメキシコに逃亡中という状況が強める孤独、その中で求めるものの決して共鳴することのない少しズレた愛、主人公リーを通してバロウズの内面を描いた作品なのであります。バロウズという人物、その作品を知っていないと、ちょっと難しいかもしれないですね・・・。
そんな作中での注目はジェームズ・ボンドの印象が強くなってしまったダニエル・クレイグ。アルコールとドラッグでよれよれで、みっともなく若い男を求める演技、いい味を出していました。ジェームズ・ボンドからは脱却できたのではないかと。実は過去には「愛の悪魔 フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」という作品でゲイ役を演じたことがあるそうで、本来の繊細な役が似合う役者に戻ったというべきでしょうか。
そして驚きだったのが選曲、「『クィア/QUEER』の挿入曲とサントラ」に詳しいですが、1950年代という舞台に対し、ニルバーナやプリンス、ニュー・オーダーなど時代を超えた、しかも悩めるエンジニア好みの曲がたくさん使われており、これがまた合うのでありました。
なかなか難しい題材なので、どうかと思っていましたが、楽しめました。気になった方はぜひ映画館に足を運んでみてください。
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