今年も終わりが見えてきました。この時期になると何冊か本を買い込んで、年末年始に読むのが恒例。ですが、読書って読む体力が必要なのであります。日頃から読む体力をつけておかないと難解な本はなかなか読み進まない。というわけで、リハビリがてら選んだのが「作家の猫」であります。
紹介されていた作家の声をいくつか。
私は猫に対して感ずるような純粋なあたたかい愛情を人間に対していだく事のできないのを残念に思う。可能になるためには私は人間より一段高い存在になる必要があるかもしれない。ー 寺田 寅彦 ー
生き物は人間と違ってウソをいわないからかわいいと思う。人間のほうはもの心がつくとウソをつくからいやになってしまうんです。ー 熊谷 守一 ー
猫は精妙きわめたエゴイストで、人の生活と感情の核心へしのびこんできてのうのうと昼寝するが、ときたまうっすらとあける眼はぜったいに妥協していないことを語っている。ー 開高 健 ー
先日紹介したヘミングウェイの言葉、「猫は絶対的な正直さを持っている。」に通ずるものがありますね(「なぜこれほど愛されるのか」)。このような感じで作家の声とエピソードがたくさん綴られており、多くの作家が猫に惹かれ、癒やされていたことがわかります。そしてこれまで出会うことがなかったであろう作品もたくさん知ることができます。
そういえば、晩年はすっかり猫好きになった、ウィリアム・S・バロウズの「内なるネコ」なども紹介されていました。本棚で眠っているのを引っ張り出して読んでみようかと思います。
楽しませていただきました。
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