「スクラム 〜仕事が4倍早くなる”世界標準”のチーム戦術」を読了したのでご紹介。
ボーイング737MAXの墜落事故をご存知でしょうか。墜落事故の一因にコストを優先しすぎたソフトウェア開発があると言われています(737MAXの欠陥ソフトウエアは低賃金、大学を出たばかりの臨時社員が開発)。経営層のコスト優先の方針の中、従来のウォータフォール型開発において、分業化、オフショア化が過度になされ、社内は空洞化、品質が低下していく・・・。「君は家族をこの飛行機に乗せるか?私なら乗せない。」、「この飛行機はピエロが設計し、それをサルたちが監督している。」といったメールのやり取りも見つかったとか(737MAXに「家族乗せない」ボーイングが内部記録公表)。顧客も従業員も誰も幸せになっていない。似たようは話が悩めるエンジニアの周りでもあり、悶々としているところで藁にもすがる思いで手にとった一冊であります。
いわゆるハウツー本ではありません。 プロダクトオーナー、スクラムマスター、バックログ、スプリント、スクラムボードによる「見える化」、デイリースタンドアップ、スプリントレビューなど、スクラムを特徴づける仕組みがありますが、なぜ、それらが必要なのかにフォーカスしています。運命を自分でコントロールできること、何かについて自分が上達しているという実感、自分より大きななにかに力を尽くしているという感覚を高め、過度の負荷による「ムリ」、一貫性に欠けることからくる「ムラ」、結果の「ムダ」をなくし、顧客に価値を提供し、幸福に働けるようにするためであると。
- プロダクトオーナーを決める
- チームを作る
- スクラムマスターを決める
- プロダクトバックログを作成し、優先順位をつける
- プロダクトバックログを整理し見積もる
- スプリント計画を立てる
- 仕事を「見える化」する
- デイリースタンドアップ(デイリースクラム)
- スプリントレビュー(スプリントデモ)
- スプリントレトロスペクティブ
冒頭で「結果は明らかだ。企業には二つの選択肢しかない。変わるかつぶれるかだ。」なんて刺激的なことが書かれていますが、まさにそのとおり、現場のマネージャ層はもちろん、経営層にはスクラムの元になった野中氏、竹中氏の「The New New Product Development Game」と合わせてぜひ読んでいただきたい。
悶々としていた気持ちが少し晴れました。悶々としている方はぜひどうぞ。
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